2016-12-26

エクスクルーシブS5

 ちょっと、SSDの話を挟みましたが、戻ります。

 とある土曜日、行きつけのオーディオ店に行くと、何やら忙しくしているではありませんか。何かなと思いつつ、視聴室のほうをそっと覗くと、縦に長いスピーカーが置いてあります。その間には、高級そうなセパレートアンプも設置中。1人の店員の方が、スピーカーの試聴会を日曜日にやるので、準備中だと教えてくれました。また、時間があったら来てとのご招待もいただきました。ただ、スピーカーはTANNOYと決めていたので、用事があることにして試聴会には参加しないことにすると、「1時間ぐらいで準備が終わるから、聴いていったら」と言われ、特に予定もなかったので、聴いていくことにしました。



 いつも、そこのお店では、試聴用に「RoundUp」という、「荒野の7人」のテーマ曲を聴かせてくれます。軽快な音楽を、メリハリのあるティンパニーの音が特徴で、試聴にはもってこいの曲です。1つ1つの楽器がはっきりしている。次からはリクエストした曲を聴かせてくれます。私はいつも、クラシックをかけてもらうことにしていました。曲はドヴォルザークの交響曲9番「新世界」です。静かに曲が始まり、その中での楽器の音の透明度を確認した後、一気に多くの楽器が加わって来て、この曲もティンパニーの音がグッと響いてきます。この曲で、スピーカーが好みかどうかを確認していました。
 目を閉じて聴くと、まるで、それぞれの楽器が並んで演奏している様子が目に浮かんできます。なんだこの感じは、TANNOYの「G.R.F. Memory」とは違う感動があるではないか。一気にこのスピーカーの魅力に取りつかれてしまいました。
 そのスピーカーはPIONEERの「エクスクルーシブS5」でした。

 このスピーカーの特徴は、バーティカルツインと言って、日本語に直せば、仮想同軸というものでした。スピーカーというものは、同じ場所(1点)から高音も中音も低音も出ているのがいいらしく、TANNOYは物理的にこれをかなえたスピーカーですが、このバーチカルツインは、高音用のツイーターの上下両側に低音用のウーファーを2個配置し、3か所で音は出してはいるけど、仮想的には同じ場所(1点)で出しているようにしているのです。とにかく、楽器1つ1つが目に浮かんでくるのは感動でした。この日から、夢のスピーカーがTANNOYの「G.R.F. Memory」からPIONEERの「エクスクルーシブS5」に変わったのでした。ちなみに、「エクスクルーシブS5」は定価で1本約64万円(セットで128万円)という高額な品物でした。

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